ペーシングとは相手の話し方に自分の話し方をあわせる方法のことを言います。
声のスピード、音程、大小、リズム、呼吸などを相手に合わせていきます。
相手にペースを合わせていくことでラポールを築くことができます。
私たちは無意識にペーシングを使っています。
あなたは高級なレストランに行くときそれ相応の服装をしていきますよね。
短パンで行こうと思いますか?普通は思いませんよね。
就職の面接に私服で行きますか?
きちんとスーツ来てネクタイ締めて行きますよね。
これらは全て無意識的なペーシングになります。
ペーシングは、特に相手が感情的になっているときなどに有効です。
怒っている人に対しては、相手の怒りの度合いより少し低めの程度にペーシングします。
やりすぎると火に油を注いでしまい取り返しがつかなくなります。
また相手に最初は合わせていきながら、段々と自分のペースに
持ち込んでいくこともできます。これをリーディングといいます。
例えば女性の部下が仕事でミスしてものすごく落ち込んでいたとします。
そのようなときにどういう対応をあなたは取りますか?
「そんなの気にしないで。元気出して!」と明るく言ったらどうなるでしょうか。
信頼関係がそれなりにあれば、「ありがとう」ぐらいは言われるかもしれませんが、
下手すると余計落ち込んだり、心の中で「ほんとわかってないな、この人」って思われる
かもしれません。
例えあなたが善意で言ってたとしてもそれが逆に働いてしまう可能性もあります。
より良い選択は、まず相手の感情に合わせた同情的な声の調子や態度をすることです。
そして、少しずつ落ち着いた姿勢に積極的に変化させて調整していきます。
あなたとのラポールを感じたならば相手はあなたのリードに乗ってきます。
自分のことをきちっとわかってくれていると認識すれば相手はあなたのリードに
従ってきます。
このようにリードして行くことで最終的には落ち込んでいた部下を落ち着かせて、
元気な状態までリードしていくことができます。
このようなペースあわせとリードはカウンセリングや治療でも同じように行われます。